日野の図書館(3)分館の原点・日野市立多摩平児童図書館
日野市立図書館の分館の1つ、多摩平児童図書館は、昭和41(1966)年に始まりました。
日野市の図書館は、本館と分館で構成することになっています。時系列上、先に分館ができました。多摩平児童図書館は、分館第1号となります。
- 本館 中央図書館(昭和48(1973)年)
- 分館 ①多摩平児童図書館、②高幡図書館(昭和41(1966)年)、③福祉センター図書館(昭和42(1967)年)、④社会教育センター図書館(昭和44(1969)年)、⑤平山児童図書館(昭和46(1971)年)、⑥百草台児童図書館(昭和47(1972)年)、⑦市政図書室(昭和52(1977)年)
なお、詳細の歴史は、日野市立図書館HPにあります。
さらにひまわり号も運行しています。
最初の児童図書館は、電車の廃車両を利用したものでした。現在の多摩平図書館の敷地内、イオンモールに近い側にありました。
電車図書館では狭小のため、5年後に木造平屋建て(105.63㎡)の図書館が建設されました。
電車図書館になじんてきた子どもや親たちが、新しい子どもの図書館を建てるために、小遣いを貯めて市に寄贈してできあがったそうです。
この図書館を設計した佐藤仁は、「これこそ公共図書館建築の原点」と絶賛しました。
建物は、上から見ると三角形にできており、「お話」「母親」「幼児」「小学生」という4つのコーナーがありました。それまでの図書館建築では、用途ごとに小部屋に区切る体裁が主流でしたが、開放感を重視したため、コーナー区切りという考え方を採ったそうです。その後、多摩平児童図書館の建築スタイルを模したものが多数登場し、日本の図書館はコーナー式が増えたそうです。
このような図書館があるのは当たり前のように感じて暮らしていましたが、当時の日本では先進的な存在であり、市政によって手厚いサービスを受けていたことを、大人になって改めて実感する次第です。