わが理想の本屋「かしわや」
「かしわや」書店は多摩平名店街の中にありました。もともとは、布団屋でしたが、途中で業態を変えました。小さな本屋でしたので、鉄生堂や三成堂ほどの売り上げはなかったと思いますが、利用者の側からすると実に都合のいい本屋でした。これまでに行ったことのある中で、利用しやすい理想的な本屋でした。
好きな理由をあげていきたいと思います。
■理由1 出入口がよく見える「鰻の寝床」であった
店舗は長方形で、出入口は1か所です。店内の通路から常に出入口の様子がうかがえます。つまり、立ち読み中でも横を気にしていれば、誰かが入ってきてもすぐに分かります。人の気配を感じたら、サッと読むのを止めることが可能です。
■理由2 客数が少ない
鉄生堂や三成堂とは異なり、駅前からは少し離れているため、客数が多くありませんでした。店内に一人しかいないようなとき、立ち読みには便利でした。
■理由3 レジの視線を感じにくい
小さな店なので、書棚とレジの距離は遠くないのですが、少し離れるだけで目線を感じなくなります。つまり、グラビア雑誌のようなものも、人目を気にせず読むことが可能です。このメリットに気づいていた同級生のおませな早熟男子は、エッチな雑誌をよく読みにきていました。
■理由4 医者から近かった
小学生の頃は、病弱でしょっちゅう風邪をひいて、学校を休んでいました。高熱でフラフラの状態なときに、富士マンション横のあづま医院に行っていました。診察室で待っている間、少し時間が経った週刊文春、週刊新潮、平凡パンチなどを手当たり次第に読み耽っていました。医院を出た後、最新号の続きを読みたくなって立ち寄るのに、もっとも便利でした。週刊誌を読むには、とても便利でした。
「かしわや」でもご多分にもれず、立ち読み専門でしたが、小学館の「GORO」などを数冊買いました。それらもネットオークションで処分してしまったので、もう手元にはありません…