常盤平団地で昔を懐かしむ
千葉県松戸市の常盤平団地は、多摩平団地と同時期に建てられました。団地の雰囲気も似ていることから、両者は比較の対象になっていました。建物が老朽化したことから、多摩平は建て替え、常盤平は存続を選択しました。現存する常盤平団地によって、日野市多摩平の在りし日の風景に接することができます。
常盤平団地が存続となった理由は、住民の多くが高齢者で、環境になじんでしまったことや、建て替えのストレスや費用負担のおそれなどによるものでした。
昭和30年代以降に大勢の働き盛りの人が、この団地にやってきました。常盤平は、一気ににぎやかになりました。その当時の様子が、記録映画にも残っています。
当時の働き盛りの人たちは、全員が高齢者になりました。平成に入ると、団地内の一室で人知れず孤独死する高齢者が後を絶たなくなり、問題になりました、死後も、家賃が口座から自動的に引き落とされ、3年後に銀行預金が尽きたことによって、事態が明るみに出たというような事例もありました。
孤独死を防ぐため、老人が独りぼっちにならないよう、住民自治会がお互いの接点を持つなど、活動を活発に行っています。駅前にある自治会の掲示板には、様々なサークル活動や催しの案内が貼られていました。
一旦は存続を決めた常盤平団地ですが、現在も建て替えの議論は一部にあり、多摩平団地の現状を参考にして検討を重ねているという話も聞きました。
日野市から松戸市までは、少々距離がありますが、ちょっとした小旅行気分でおでかけするには、もってこいの場所です。多摩平団地を懐かしむ方は、ぜひ足を運んでみてください。