日野市多摩平8丁目のブログ

主に日野市多摩平およびその周辺の歴史や話題を語ります

日野市の財政危機について

先日、日野市は財政非常事態宣言に入った責任として、市長、副市長、および教育長の給料を減額すると発表しました。市長は15%減、副市長は10%減、教育長は5%減としました。

 

日野市長等の給料月額の減額について(令和3年6月8日プレスリリース)|日野市公式ホームページ

 

一方、その他一般の職員の給料も下がっているかと思いきや、年収については下記データでは全国14位でした。

toyokeizai.net

また、賞与の支給額は、全国で5位とトップクラスです。

www.nenshuu.net

 

「財政危機なのだから、もっと職員の給料を減らすべきだ」という人もいるかもしれませんが、全体の歳出に占める人件費の割合が低いことを踏まえると、給料を減らしたところで、財政状況が劇的に改善するわけではありません。

 

今回は、首長らが給料を減らしたことを公表することで、自ら身を切っているのだ、本気なんだというアピール効果を狙っているのでしょう。

 

それとも、先日、市立病院や川辺堀之内土地区画整理組合を舞台にした元副市長らによる詐欺容疑の事件の責任との合わせ技だったのでしょうか。その真意については、よく分かりません。

 

責任という観点からは、今回の緊急事態宣言によって、影響が大きかったのは西豊田駅の建設を断念したことではないかと思います。もっとも、地元負担で駅を建設しても、費用対効果が見られなければ、財政危機であろうがなかろうが、駅の建設は困難であることには変わりません。

 

日野市の人口は、まもなく下降線をたどると予測されています。また高齢者が増加して、生産年齢人口が減少するので、確実に歳入は先細りしていくわけです。ただ、この期に及んで財政危機に陥ったというわけではなく、過去にも平成10年、20年に財政緊急事態宣言が発出されています。私自身は、今回調べて初めてわかったことですが、今回が3回目の宣言と記憶している方には、またオオカミ少年が騒いでいるとも思われるでしょう。

国や自治体の「財政危機」については、本当に危機なのかといぶかる人もいます。借金である国債や地方債は私たち国民が買っているので、債権者は国民です。一方、国や自治体が債務者とすると、その構成員である私たちも債務者です。債権者と債務者が同一である以上、私たちが借金を無理して取り立てて、国や自治体を理不尽に債務不履行にするわけはありません。いわゆる民事破産のようなことは起きるわけはありません。ただ、借金が雪だるま式に膨れ上がっていくわけです。国や自治体が借金体質だと、金利が上がりません。この金利の低迷こそが、個人の消費を大きく減らしている原因です。この悪循環を断ち切るために、借金体質を改善しなければならないのだと思います。